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鈴木龍太のラケットを握った外科医


鈴木龍太プロフィール
医師 専門は脳神経外科
テニスは日曜のテニススクール歴4年ですが進歩なし、ダイエット効果もなし。
tennis365.netでコラム「ラケットを握った外科医」連載
http://www.webdoctor.ne.jp で「外科医の独り言」連載
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テレビの医者ドラマ

最近医師が主人公のドラマが沢山あります。善人と悪人がはっきり分かれていて大学病院の教授や大病院の院長などは金持ちで自分の利益ばかり追って患者さんのことをちっとも考えていません。その分若い医師は患者さんの家族のように親身になって一緒に悩みます。外科医はスーパーハンドでどんな難関でもこなしてしまいます。手術室の前には患者さんの家族が待っていてドアの上に手術中という電気が点灯し電気が消えると手術着を来た医師がでてきて「もう大丈夫ですよ。命は助かります」と言います。患者さんは翌日からすっかり元気になります。

こういうドラマを見ているとあまりにも現実と違うのでチャンネルを変えてしまいます。でも刑事ドラマや弁護士ドラマを見ていてもそんなに違和感を感じませんし、湾岸署の刑事さんと本庁の偉い人とのやり取りを実際ありそうだなと思いながら見ています。でも警察の人や弁護士さんはテレビドラマは現実とは大違いだと言っているに違いありません。

どんなにおかしい医師のドラマでも全く嘘ではありません。ステレオタイプに誇張されて描かれているのでおかしく感じますが、少しはそのような体質があることは事実です。でも私の周りの医者たちは少なくとも悪人ではなく、患者さんのためを思って仕事をしています。それにそんなに金持ちではありません。それだけは信じて下さいね。医師は人の身体に傷を付けても許される職業です。医療現場に悪人がいるとたちまち医療は成り立たなくなります。
知って損する健康知識 | 投稿者 鈴木龍太 11:40 | コメント(2)| トラックバック(0)

ちょっと休憩

読者の皆さんご無沙汰しております。ラケットを握った外科医です。コラムも少したまってきましたが如何ですか?

コメントを下さったitsumoさん、別所コーチ、fortsevenさん、ゆうさん、アツシさん、Myさんありがとうございます。

テニスエルボー、椎間板ヘルニア、肩の脱臼、ふくらはぎのだるさなど宿題も頂いています。個別の病気に直ぐにお答えすることはできませんがだんだんコラムで取り上げていきますので待っていてください。

私の以前のコラムは5月23日の記事の「スポーツマンの五月病」の最後の行からリンクしていますので、そちらも読んでくださると嬉しいです。

こないだロンドン近郊のケンブリッジで学会があったのでウインブルドンによって来ました。残念ながら試合は終わっていて宴の後の静かなウインブルドンでしたが緑と紫と白で統一された素敵な場所でした。詳しい行きかたを今度書きますから皆さんも是非一度訪れてみてください。

鈴木龍太

ちょっと休憩 | 投稿者 鈴木龍太 15:22 | コメント(1)| トラックバック(0)

松井秀喜選手とコーレスとスミス

ニューヨークヤンキースの松井選手が4月11日に骨折しました。スラインディングで左手を伸ばして球を捕ったときに天然芝にグラブが引っかかり手首を背屈した状態で倒れました。報道では手首骨折とのことです。ではコーレスとスミスは誰?と言われそうですね。大リーガーの選手ではありません。コーレスはアブラハムコーレス、スミスというのはロバートウィリアムスミスという外科医です。

腕の骨は肘から手首まで2本の骨で繋がっていて、親指側を橈骨(とうこつ)、小指側を尺骨(しゃっこつ)といいます。転ぶときに手を強く突くと手首を骨折することがありますが、多くの場合橈骨の遠位端(手首側)骨折がおこります。手が背屈した状態でてのひらを強く地面に突いた骨折では骨折片が手の背側へ転位します。つまり手がフォークのように背側へずれるのです。これをコーレス骨折といいます。逆に手首が内側へ曲がった状態で手の背側を強く突いて起こる骨折では骨折片が内側へ転位して手がてのひら側へずれます。これをスミス骨折といいます(図)。コーレスとスミスは手の骨折を調べて分類した1800年代のアイルランドの医師なのです。

コーレス骨折&スミス骨折


松井選手の場合は手首を背屈して手を突いていますからコーレス骨折が起こったと推測できます。手首を骨折すると5-6週間ギブス固定をし、その後リハビリをしなければならないので、復帰するまで最低3-4ヶ月かかります。スポーツ選手、特にプロ選手にとって骨折をすることは一番避けなければいけないことの一つです。

ではこの骨折は防げたのでしょうか?野球評論化の豊田泰光さんが新聞のコラムで野球選手も柔道の受身を体得していればこのような怪我は防げるだろうと書いています。受身ができるとくるりと前方に回転して球を捕るので手首を骨折することはありません。松井選手の場合は芝に手が引っかかったので前方回転ができたかどうかはわかりませんが、受身を応用して咄嗟に身体を横にすれば少なくとも手を突かないで済んだかもしれません。身体を横にして腕を内側に巻き込んで肩に近い部分で倒れるようにするのです。この倒れ方だと最悪の場合鎖骨骨折か肋骨骨折が起こることがありますが、2ヶ月位で治るので復帰も早く、運動機能が落ちることはありません。また横から倒れると肩から頭まで距離がありますから頭部打撲の可能性も減ります。

テニスでも手を突いて倒れる場合がよくあります。是非横を向いて倒れることを覚えてください。怪我が減ります。
コラム | 投稿者 鈴木龍太 11:31 | コメント(2)| トラックバック(0)

偽医師の笑顔

以前手話通訳者が聴覚障害者と病院に行った場面の講習ビデオに医者役で出演しました。

もう一人の役者さんが別の医者役をやってくれました。評判は散々で役者さんの医者のほうがよっぽど医者らしいと言われました。

時々新聞に偽医者発覚という記事がでます。患者さんの評判は優しくて良いお医者さんだったのにという場合がほとんどです。

テレビのコマーシャルで小児科の青年医師をやっている人の笑顔がとてもいいので気になっていました。上目遣いに聴診器を聴いている表情などは素晴らしいものがあります。この人は本当の医者なんだろうかと真剣に思ったりしていました。

でも最近ビールのコマーシャルでその人が生ビールをついでいる場面がありました。その笑顔も医者役のときと同じように爽やかでしたが、その青年は医者ではなくやっぱり役者さんでした。

偽者は本物よりも本物らしいというお話です。
知って損する健康知識 | 投稿者 鈴木龍太 18:54 | コメント(2)| トラックバック(0)

時計の心

前にニューヨークに行った時に腕時計を買いました。安い時計なのですがその時計をしていると皆が「いい時計ですね」と言ってくれます。そんな訳で前に使っていた高い時計はすっかり使わなくなってしまいました。ある時たまには違う時計もしてみようと思って前の時計をしてみました。するとどうでしょう時間が狂うのです。時々止まったりもするのです。電池がなくなったに違いないと時計屋さんに持っていったら電池は大丈夫で、時計屋さんもなんで調子が悪いか分からないというのです。結局その時計は動かなくなってしまいました。新しい器械を買うと前に使っていた古い器械が偶然みたいに故障してしまうことってよくありませんか?器械も寂しがるんだなと変に感傷に浸っていました。でも科学的根拠を求めれば、使わないと埃が溜まったり、油が固まったりして器械が動きにくくなり、壊れ易くなるからで、そんなに不思議はありません。

人間も同じです。使わないと直ぐに弱くなります。身体を鍛えている人なら分かると思いますが、筋トレをちょっと休むと腕が細くなってしまいます。動かないで寝てばかりいると1週間で20%も筋力が低下します。これを取り戻すのには1ヶ月かかります。大変なことですね。筋肉は瞬発力を出す速筋線維と持久力のある遅筋線維とで構成されますが、この比率は生まれつき一人一人違っていて、しかもトレーニングで変わることはありません。また筋肉繊維の数が筋トレでどんどん増えるということもありません。筋肉が太くなるのは筋線維の数が増えるのではなく、筋線維一本一本が太くなるからです。使わないでいると直ぐに筋線維が細くなるので、筋肉全体がやせてきます。これを廃用萎縮といいます。英語ではdisuse syndrome、つまり使わない症候群です。

時計の心


廃用萎縮は筋肉ばかりに起こるわけではありません。宇宙飛行士は無重力状態に長くいると筋肉だけでなく骨の密度も減ってきてしまいます。もっと大変なのは脳です。高齢者が入院して寝たきりになるととたんにボケてしまうことがあります。骨や脳の活性化には足の裏を着いて体重を支えるという刺激が必要なのです。皆さんもスポーツばかりやっていないで時々脳を使って下さいね。
コラム | 投稿者 鈴木龍太 14:44 | コメント(1)| トラックバック(0)
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