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鈴木龍太のラケットを握った外科医


鈴木龍太プロフィール
医師 専門は脳神経外科
テニスは日曜のテニススクール歴4年ですが進歩なし、ダイエット効果もなし。
tennis365.netでコラム「ラケットを握った外科医」連載
http://www.webdoctor.ne.jp で「外科医の独り言」連載
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健康食品

患者さんに良く聞かれることがあります。「○○という薬を知りあいに勧められて飲んでいるんですがどうでしょう?」といったものです。勧める人は知り合いとか、親戚とか近所の薬局です。○○という薬は新聞の広告欄にでているもののイメージです。値段は結構高いものが多くて私はびっくりします。先日の患者さんはある注射をしていて1回1万円を毎週やりましょうといわれたそうです。医薬品に指定されていないものはそれだけの根拠が足りないから指定されていないのです。プラシーボ効果と言って薬ではないものも薬だと思って飲むと効くことがあります。ある頭痛薬の調査のときに本物の頭痛薬と偽者の頭痛薬を投与したことがあります。本物の頭痛薬は70%の人で頭痛が改善しましたが、偽者でも40%の人で頭痛が改善しました。信ずるものは救われるということですね。ですから一概にやめなさいとは言えません。本人が良いと思って、しかも高い値段を無理なく払えるのであれば続けてもいいと思います。でも健康食品は時々法令に違反して問題になることがあります。食品衛生法、薬事法、健康増進法、JAS法、景品表示法などが関連しています。こういう話をすると皆さんはじゃあ止めたほうがいいですねと言います。でもとても止めづらそうな顔をします。何故だろうと思います。でも話をしているうちに、紹介してくれた友達や親戚がかなり強く勧めるので、断りにくいのだということが分かります。人間関係を悪くしたくないとの思いですね。信じていない場合は最初からきっちり断ったほうが後で断るより良いと思いませんか?
知って損する健康知識 | 投稿者 鈴木龍太 18:40 | コメント(6) | トラックバック(0)

患者さんもご協力を

一時病院は医療事故やミスで散々マスコミにたたかれました。今も事故があると大変です。でも最近新聞の論調が少し変わってきました。最近読売新聞が連載していたのが患者ハラスメント特集です。看護師に乱暴したり、セクハラをしたりする患者さん、検査が正常だったので支払いをしないと主張する患者さん、手術の結果が悪いと全て医療ミスと考えて苦情を言い続ける患者さん。救急のほうが待たなくていいし、検査もすぐに受けられるからと夜になってわざわざ来る患者さん。毎日夜中に救急室へ来て自分で決めた注射をしないと帰らない患者さん。学校の給食費を払わない親や、学校にすぐに理不尽な苦情を言ってくる親をモンスターペアレントというそうですが、こういった患者さんも同様にモンスターペーシェントと言えそうです。勿論そんな人は少数です。でもそういう患者さんがいると医療者はやる気をなくしてしまいます。医療者は今、安全で安心な医療の実現に病一生懸命取り組んでいます。是非患者さんのご協力をお願いします。
知って損する健康知識 | 投稿者 鈴木龍太 13:47 | コメント(0) | トラックバック(0)

肩の痛みに効く胃薬

皆さん肩が痛くなったり、一寸でも動かすと痛くて動かなくなってしまったりしたことはありませんか?だんだん肩が痛くなってくるのは良く言う四十肩、五十肩といわれるものが多く、肩関節周囲炎といわれる病気です。肩はくるくる回したり、上へ上げたり身体の中で動かす範囲が最も多い関節です。図のように肩は骨や筋肉、腱が複雑に絡み合っています。肩関節を上にあげる時に肩峰下滑液包(けんぽうかかつえきほう)や腱板などの動きが障害され、骨頭の動きが制限されて痛みを生じます。

肩関節周囲炎


図:WebDoctor (http://member.webdoctor.ne.jp) より。

でも急に症状がでて痛くて肩が動かない場合はもう少し進んだ状態です。こういったときに肩のレントゲン写真を撮ると、肩の腱板のところに白い石灰化が見つかることがあります。 レントゲン写真では分かりにくいですが黄色い矢印の先が石灰化です。

石灰化


図:肩のレントゲン写真。向かって右が治療前の石灰化(分かりにくいですが矢印の先の薄くモヤモヤとしたものです)、左が治療後に石灰化が消えたところ。

このように肩の腱板に石灰化が見られるものを石灰沈着性腱板炎といいます。突然、原因もなく、激しい肩の痛みがでます。痛みのために肩と腕が動かせなくなって、腕を胸に固定した状態で苦しそうな顔をしています。このような場合はまず石灰沈着性腱板炎だと診断できますから、レントゲンで石灰化を確認します。肩を動かすときに腱板が挟まれて炎症を起こし、次第に石灰化をきたしたものです。治療はまず痛みを抑えることです。痛みをすぐに取って欲しければ局所麻酔薬を肩の痛いところに打ちます。鎮痛剤や湿布も使います。安静にしていると石灰化が消える場合もありますが、固まってしまうと中々消えません。石灰化があれば、炎症を起こし易いので再発します。

ではどうしたらいいのでしょう。一つ手があります。不思議なことにこの石灰化を消すのにTという胃薬が効くのです。朝夕一錠ずつ3週間飲むと、6,70%の例でこの石灰化が消えます。全例ではありませんし、時間がたった例はだめです。ですから発症早期に飲まなければいけません。うそみたいな話ですが学会でも報告されています。でもTの効能書きには石灰沈着性腱板炎に効くとは書いていませんし、あまり一般的に使われていません。ですから石灰沈着性腱板炎になったときには鎮痛剤と一緒に胃薬ももらうようにしましょう。
コラム | 投稿者 鈴木龍太 22:02 | コメント(86) | トラックバック(0)

病院から医者がいなくなる

最近地方の病院で医師がいなくなって病棟を閉鎖したとか、産科医がいなくて妊婦さんが救急車でいくつもの病院で断られたというようなニュースを良く聞きます。救急を扱う急性期病院で医者がどんどん減っています。医師は毎年7,8千人増えているのにいったいどうしたのでしょう。最近では医療の質と安全に関してどんどん要求が高くなり、急性期病院の医師は業務がどんどん過酷になり、責任も重くなっています。私の病院でも40代前後の働き盛りの医者がどんどん辞めています。開業をする人が多いのですが、最近オフィスだけあれば、在宅介護の往診をしたり、色々な病院で麻酔をかけたり、レントゲンを読んだりする形態で初期投資がすくなくても独立できるようになりました。独立しやすくなったので、そういう形で独立する人も多くなりました。います。それと研修医制度が導入されたのも一因です。医師が減ってくると残った数少ない医師で夜間の緊急患者を暑かったりしますから業務はますます過酷になるという悪循環に陥ります。何かいい方法はないでしょうか?
知って損する健康知識 | 投稿者 鈴木龍太 21:54 | コメント(4) | トラックバック(0)

ドーピングの話

皆さんご存知だと思いますが、マルチナ・ヒンギスが2007年ウインブルドン大会のドーピング検査でコカインに陽性反応を示したために、引退しました。本人は使用を完全に否定していますが、「今後の人生をドーピング取締り機関と係争するため何年も無駄にしたくない」とコメントしています。最近では陸上で有名なマリオンジョーンズが薬物使用で金メダルを剥奪されました。ドーピングの話はびっくりすることや不思議なことばかりです。そこで私の知り合いで、オリンピックのボート競技でチームドクターだった日浦幹夫先生(法政大学人間環境学部)にドーピングの怖さを書いてもらいました。

「ドーピング」の解釈は結構複雑。ありふれた点滴ひとつでも用心が必要です。

ドーピングと聞くと、真っ先に思いつくのが筋肉増強剤、男性ホルモン剤、興奮剤などの禁止薬物だと思いますが、そればかりではありません。点滴は治療目的以外は禁止ですし、血液ドーピングと呼ばれる輸血や遺伝子操作も禁止です。

ドーピングの話
イラスト byひろき


2007年8月末にドイツ行われたボート競技の世界選手権で、ロシア選手3人がドーピング違反のため出場停止となりました。その経緯を説明します。今年の7月にスイスのルツエルン(とても美しい観光地です)で行われたワールドカップ期間中に、ロシアチームの泊まったホテルのそばのゴミ箱から、薬物と静脈注射用の医療器具が入ったバッグが見つかりました。そのバッグはただちに世界アンチドーピング機構:WADA( World Anti Doping Agency ) の検査機関に運ばれて禁止薬物が発見されました。8月にボート競技の国際連盟は、ロシア選手に対していわゆる抜き打ち検査(競技外検査)を行い、また全てのロシア選手に血液検体を供与するように指示を出しました。ちなみにこのような場合は血液検体供与を拒否するだけでドーピング違反になります。結果は禁止物質や血液ドーピング、EPO(造血ホルモン剤)の注射等の証拠は認められませんでした。当局はそれでもあきらめず、全てのロシア選手の血液検体と、疑惑の器具に付着した血液のDNA検査を照合した結果、3人のロシア選手の名前が判明しました。医師の指示ではなく医学的に正当性のない静脈注射をしたことを認めたので選手はドーピング違反で出場禁止となりました。

さて、この「医学的に正当性のない静脈注射」ですが、日本でも人気のあるJリーグ選手で同様の話題がありました。ご記憶にある方も多いと思います。この選手に行われた静脈注射は「医学的な正当性がない」と判断され、ドーピング違反でペナルティーが課されました。これに対して、担当したチームドクターは「医学的に正当性がある」と主張、反論してペナルティー撤回を要求したそうです。この事例から感じたことは、「静脈注射の医学的な正当性」を判断することは難しいということです。医師の関与がなかったロシア選手の事例と、医師の関与があったJリーガーの事例は同列には語れませんが、いずれの事例でも選手が静脈注射に関するドーピング規定を知らなかった、あるいは規程を無視したために生じた問題です。そこで重大になってくるのが、スポーツ選手のケアをしている医師の認識と対応です。もしも医師が間違えたためにドーピング違反が生じたとしたら、ペナルティーを負うのは選手であり、社会問題に発展してしまいます。風邪薬一つでも慎重にしなければなりません。

余計な心配かもしれませんが、スポーツ選手の皆さんが薬の処方や点滴を受ける場合は、自分も良く勉強し、医師ともよく相談し、慎重な行動を取りましょう。

法政大学 人間環境学部 日浦幹夫
コラム | 投稿者 鈴木龍太 20:39 | コメント(3) | トラックバック(0)
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