2006年07月12日
松井秀喜選手とコーレスとスミス
ニューヨークヤンキースの松井選手が4月11日に骨折しました。スラインディングで左手を伸ばして球を捕ったときに天然芝にグラブが引っかかり手首を背屈した状態で倒れました。報道では手首骨折とのことです。ではコーレスとスミスは誰?と言われそうですね。大リーガーの選手ではありません。コーレスはアブラハムコーレス、スミスというのはロバートウィリアムスミスという外科医です。
腕の骨は肘から手首まで2本の骨で繋がっていて、親指側を橈骨(とうこつ)、小指側を尺骨(しゃっこつ)といいます。転ぶときに手を強く突くと手首を骨折することがありますが、多くの場合橈骨の遠位端(手首側)骨折がおこります。手が背屈した状態でてのひらを強く地面に突いた骨折では骨折片が手の背側へ転位します。つまり手がフォークのように背側へずれるのです。これをコーレス骨折といいます。逆に手首が内側へ曲がった状態で手の背側を強く突いて起こる骨折では骨折片が内側へ転位して手がてのひら側へずれます。これをスミス骨折といいます(図)。コーレスとスミスは手の骨折を調べて分類した1800年代のアイルランドの医師なのです。
松井選手の場合は手首を背屈して手を突いていますからコーレス骨折が起こったと推測できます。手首を骨折すると5-6週間ギブス固定をし、その後リハビリをしなければならないので、復帰するまで最低3-4ヶ月かかります。スポーツ選手、特にプロ選手にとって骨折をすることは一番避けなければいけないことの一つです。
ではこの骨折は防げたのでしょうか?野球評論化の豊田泰光さんが新聞のコラムで野球選手も柔道の受身を体得していればこのような怪我は防げるだろうと書いています。受身ができるとくるりと前方に回転して球を捕るので手首を骨折することはありません。松井選手の場合は芝に手が引っかかったので前方回転ができたかどうかはわかりませんが、受身を応用して咄嗟に身体を横にすれば少なくとも手を突かないで済んだかもしれません。身体を横にして腕を内側に巻き込んで肩に近い部分で倒れるようにするのです。この倒れ方だと最悪の場合鎖骨骨折か肋骨骨折が起こることがありますが、2ヶ月位で治るので復帰も早く、運動機能が落ちることはありません。また横から倒れると肩から頭まで距離がありますから頭部打撲の可能性も減ります。
テニスでも手を突いて倒れる場合がよくあります。是非横を向いて倒れることを覚えてください。怪我が減ります。
腕の骨は肘から手首まで2本の骨で繋がっていて、親指側を橈骨(とうこつ)、小指側を尺骨(しゃっこつ)といいます。転ぶときに手を強く突くと手首を骨折することがありますが、多くの場合橈骨の遠位端(手首側)骨折がおこります。手が背屈した状態でてのひらを強く地面に突いた骨折では骨折片が手の背側へ転位します。つまり手がフォークのように背側へずれるのです。これをコーレス骨折といいます。逆に手首が内側へ曲がった状態で手の背側を強く突いて起こる骨折では骨折片が内側へ転位して手がてのひら側へずれます。これをスミス骨折といいます(図)。コーレスとスミスは手の骨折を調べて分類した1800年代のアイルランドの医師なのです。
松井選手の場合は手首を背屈して手を突いていますからコーレス骨折が起こったと推測できます。手首を骨折すると5-6週間ギブス固定をし、その後リハビリをしなければならないので、復帰するまで最低3-4ヶ月かかります。スポーツ選手、特にプロ選手にとって骨折をすることは一番避けなければいけないことの一つです。
ではこの骨折は防げたのでしょうか?野球評論化の豊田泰光さんが新聞のコラムで野球選手も柔道の受身を体得していればこのような怪我は防げるだろうと書いています。受身ができるとくるりと前方に回転して球を捕るので手首を骨折することはありません。松井選手の場合は芝に手が引っかかったので前方回転ができたかどうかはわかりませんが、受身を応用して咄嗟に身体を横にすれば少なくとも手を突かないで済んだかもしれません。身体を横にして腕を内側に巻き込んで肩に近い部分で倒れるようにするのです。この倒れ方だと最悪の場合鎖骨骨折か肋骨骨折が起こることがありますが、2ヶ月位で治るので復帰も早く、運動機能が落ちることはありません。また横から倒れると肩から頭まで距離がありますから頭部打撲の可能性も減ります。
テニスでも手を突いて倒れる場合がよくあります。是非横を向いて倒れることを覚えてください。怪我が減ります。