2007年10月29日
責任の所在
脳外科外来で小中学生の患者さんのご両親から良く頼まれることがあります。体育の授業に出ていいか診断書を書いてほしい、診断書がないと学校が修学旅行に行かせてくれないなどです。薬を飲んでいる場合や飲んでいない場合もありますが、症状はないので特に行動の制限はありません。学校としては体育の授業や、修学旅行で何かあったら学校が責任を取らなくてはいけなくなります。一方医者が診断書を書いて許可すれば今度は医者に責任があるということになります。医学的には抗けいれん剤を飲んでいる場合は車の運転はやめてもらっていますし、水泳も控えるように進めています。そのような場合には明確な内容の診断書を書くことができます。また骨折などで1ヶ月は運動が出来ないような場合はきちんとした診断書を書くことができます。それ以外は自分の調子に合わせて少しずつ慣らして身体を動かすように指導しています。折角楽しみにしている修学旅行をやめるほどの症状ではないのに、診断書の書き方によっては学校は修学旅行に参加させてくれないかもしれません。本人はできるのに、学校やご両親が本人の意に反して体育を休ませたり、修学旅行に行かせなかったりして行動を制限することは良いこととは思えません。ご自分のお子さんですから、ご両親が責任を持つと学校に伝えて行動にあまり制限を加えないほうが懸命だと思うのですがどうでしょうか。